BtoCコマースの最新トレンドとして取り上げたいのが、エッジでのショッピングです。エッジとは「端」「縁」「刃物の刃」「先進性」などの意味があり、エッジでのショッピングには、“端からダイレクトに購入”“最新テクノロジー”という2つの観点から考えることができます。ARを使ったコマース、1to1マーケティングを実現するコンテクスチュアルコマースなどを含めたエッジでのショッピングについて解説します。
2つの観点があるエッジでのショッピング
1つ目は、実店舗に対して「端」という意味でのエッジから、ダイレクトに購入できるという点です。 例をあげると、オンラインビデオによるコンシェルジュサービスで相談してそのまま購入する、Amazon Alexaなど音声アシスタントを使って音声注文する、Instagramのインフルエンサーが紹介した商品をその場で購入する(ただし日本ではInstagram内決済は不可)などです。 このような、買いたいと思ったその場所から、ECサイトを経由せずにそのまま購入するような体験は、ヘッドレスコマースとも呼ばれます。 2つ目は、エッジテクノロジー、つまり最先端のテクノロジーを使って、物理的には体験できないような購入体験の提供です。 たとえば、AR(Augmented Reality、拡張現実)を使って自分の部屋にポスターや家具を配置しサイズや雰囲気を確認してから購入する、オンラインコンシェルジュサービスで相談してから購入するなど、これまでになかったようなテクノロジーを活用した技術で商品を購入できるようになります。 セールスフォース・ドットコムの調査からもエッジでのショッピングを実現しようとB2C企業の多くが新テクノロジーの導入に向けて動いていることがわかります。
テクノロジーを活用したエッジでのショッピング例
新しいテクノロジーを使った体験について紹介します。 ■ オンラインコンシェルジュサービスで、相談しながら購入 オンラインコンシェルジュサービスは、オンラインビデオを使って、コンシェルジュに相談しながら商品を選び、購入するものです。代表的な活用例が化粧品です。 化粧品は、店頭でビューティーアドバイザー(BA)に相談して選ぶという方も多いのではないでしょうか。しかし、コロナ禍においては、なかなか対面で製品の説明を受けたり、商品を試用したりということが難しくなっています。 オンラインコンシェルジュサービスでは、オンラインビデオで顧客とBAが1対1で相談でき、画面内で新商品を紹介したり、使い方を教えることができます。 Salesforceの場合、Bambuserというツールベンダーと連携してBambuserのオンラインビデオの画面上から商品のカート追加、決済が可能です。決済処理は、顧客側が操作して実行しますが、オンラインビデオの画面から操作できるので動線が途切れることがありません。こうしたサービスは、「1:多」のライブコマースでも対応でき、同様にシームレスにECサイトと連携して動画を見ながら決済まで完了できます。 ■ ARで自分の部屋と商品を組み合わせる 次はAR(拡張現実)を使ったサービスを紹介します。こちらは、自分の部屋をARカメラで写して、商品を選択すると、その商品がカメラの中で配置されるというものです。 ARカメラで部屋を立体的に認識して、3Dでレンダリングしてくれるので、実際に購入したときのサイズや雰囲気が確認できるものです。これは、ECサイト内に機能としてテクノロジーを組み込むことができ、購入前にARでお試しができます。他にも、腕にあわせて時計を試す、顔にあわせてメガネを試すなど、コロナ禍でやりにくくなっている現物でのお試し体験もバーチャルで可能になります。
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