野村不動産は3月23日、省人化、機械化が課題となっている物流施設において、課題解決を目指す、共創プログラム「Techrum(テクラム)」を開始すると発表した。4月に効果検証拠点「習志野 PoC Hub」を開設し、事業環境の変化に対応できる可変性ある物流の実現を目指す。
「Techrum」のロゴ。各社が手を組み物流課題に取り組むという意味が込められている
物流施設は、昨今のEC市場拡大や、直近の新型コロナ感染拡大防止に伴う在宅勤務、巣ごもりの影響を受け、マーケットは右肩上がりに伸びている。その一方で、人手不足が顕著となり、物流倉庫内の省人化が課題となっている。
野村不動産では、物流施設「Landport」シリーズを展開。2021年4月以降の2年間で、約850億円を投資し、開発棟数全9棟(延床面積:約11万8000坪)の事業化が決定している。入居企業の業種(=カテゴリ)を物件ごとあるいはフロアごとに特定し、一般的な汎用スペックにカテゴリ特有の機能を付加した施設設計をする「カテゴリーマルチ型物流施設」を採用していることが特徴で、プラスアルファの付加価値により、物流オペレーション最適化を目指してきた。
Techrumは、ハード面に加え、変化する事業環境に対応できる可変性を高めるソフトサービスの開発加速を目的に設立。ロボティクスやICT、搬送機器などの物流関連技術を有する企業各社を参画企業とし、企業間共創プログラムとして展開することで、荷主・物流企業固有の課題解決を目的に据える。
「Techrum」イメージ図
習志野 PoC Hubは、Landport習志野内の1階1区画に開設。自動化機器のテスト、物流機器パートナーとの共同開発による物流ソリューション開発、開発ソリューションのデモンストレーションや顧客との小規模PoCなどを実施する「ソリューション開発ゾーン」と、パートナー企業同士の定例会やセミナー開催などができる参画企業の「コワーキングスペース」から成り、共同研究開発スペースに加え、コワーキングスペースなども設ける。
実際の物流施設内に設置することで、本番環境に近い場所で検証ができ、実効性の高いソリューションを開発することが狙い。現在、参画企業を募集しているが、すでにテクノロジー企業などから参画希望もきているという。
名称のTechrumはテクノロジーとスクラムをかけ合わせたもの。各社が手を組み物流課題に取り組むという意味が込められているという。
「Landport習志野」外観
「習志野 PoC Hub」施設概要
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