巷で叫ばれている「DX/デジタル化」の本質のひとつとは、人間がテクノロジーを「ちょうどいい道具」として取り戻し、「コンヴィヴィアル(自立共生)」な関係をつくるためにいま何ができるのかを真摯に問うことのはずだ。
イヴァン・イリイチが「コンヴィヴィアリティのための道具」を提唱してから半世紀を経て、デザインエンジニアの緒方壽人は新著『コンヴィヴィアル・テクノロジー』において2020年代における「コンヴィヴィアリティ」の定義をアップデートし、他者や自然、そしてテクノロジーと共に生きる人間のあり方を構想する。
その鍵のひとつが、イリイチが示した「ふたつの分水嶺」だと緒方は言う。テクノロジーが人々をエンパワーする第一の分水嶺を越え、いまや人々を隷属させるような第二の分水嶺さえ越えようとする時代に、そのバランスはいかに取れるのか?緒方をゲストに迎えた今回のEditor’s Loungeでは、『WIRED』の通奏低音でもあり続けた「人間とテクノロジーが共に生きる社会」の実装をめぐる議論が展開された。
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■聴きどころはこちら
・“コンヴィヴィアル・テクノロジー”に取り組んだきっかけ(00:06:33)
・イリイチの「コンヴィヴィアリティ」をいかにアップデートしたか(00:14:51)
・テクノロジーのバランス:イリイチが示した「2つの分水嶺」(00:19:23)
・「その道具を手放すことができるか」という視点(00:32:10)
・ケヴィン・ケリー「AIは電気のように日常を流れる」(00:40:18)
・テクノロジーにおける「自立」と「他立」の混ぜ合わせ方(00:47:35)
・テクノロジーとの新たな関係性:We-modeとは(01:05:10)
・デザインエンジニアとして描く、今後の取り組み(01:17:45)
■登壇者プロフィール
緒方壽人|HISATO OGATA
ソフトウェア、ハードウェアを問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスまで幅広く領域横断的な活動を行なうデザインエンジニア。東京大学工学部卒業後、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、ディレクターとしてTakramに参加。主なプロジェクトとして、「HAKUTO」月面探査ローバーの意匠コンセプト立案とスタイリング、NHK Eテレ「ミミクリーズ」のアートディレクション、紙とデジタルメディアを融合させたON THE FLYシステムの開発、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展覧会ディレクターなど。2004年グッドデザイン賞、05年ドイツiFデザイン賞、12年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など受賞多数。15年よりグッドデザイン賞審査員を務める。
思想家/文明批評家のイヴァン・イリイチが提唱した概念「コンヴィヴィアリティ(自立共生)」を足がかりに、これからの人間とテクノロジーのあり方を探る1冊。テクノロジーが飛躍的に発展し、豊かさを手に入れたわたしたちは、道具を使いこなしているようでいて、実は道具に使われてしまってはいないだろうか。また、「人新世」とも呼ばれる気候変動危機の時代にあるいま、行き過ぎたテクノロジーはいかにして再び「ちょうどいい道具」になれるのだろうか。テクノロジー自体が自律性をもち始めたAI時代に、人間と人間、人間と自然、そして人間とテクノロジーが共に生きるための「コンヴィヴィアル・テクノロジー」とは何なのか ── デザイン・イノベーション・ファームTakramで数々の先駆的なプロジェクトを率いてきた気鋭のデザインエンジニア・緒方壽人が、先人たちのさまざまな言説を辿り、思考を巡らせながら紐解く。
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「コンヴィヴィアル・テクノロジー」入門:「ちょうどいい道具」とは何か?
ゲスト:緒方壽人(Takram デザインエンジニア)
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