アクセンチュアの最新調査レポート「Make the Leap, Take the Lead」によると、クラウドや人工知能(AI)などテクノロジーへの投資を先行して拡大した企業(以下、先行企業)は、投資に出遅れた企業(以下、出遅れ企業)の5倍の収益成長率を実現していることが分かった。
わずか数年前の調査で、この差は2倍に留まっていました。先行企業とは対照的に、出遅れ企業の多くはコロナ禍において事業継続を主な目的として、最近になって新たなテクノロジーへの投資を開始したが、先行企業との差はさらに広がっている。レポートの詳細を見てみよう。
「テクノロジー」は企業が生き残るだけでなく、成長を続けるために不可欠
本調査レポートでは、テクノロジー戦略を通じてさらなる成長を遂げるために重要となる3つのステップを紹介しよう。
プラットフォーム再構築(Replatform)
ITシステムの処理能力や柔軟性を維持しながらシステム強度を高め、テクノロジーの冗長性やデータのサイロ化を削減するためには、クラウドへの移行が欠かせない。
例えば、跳躍企業の80%は、2017年までに何らかのクラウド技術を導入しているが、2020年にはその割合が98%にまで増加した。
戦略の再考(Reframe)
イノベーションを中心に据えてテクノロジー戦略を見直すことが重要性を増している。跳躍企業の強みは、従来の考え方から脱却し、景気低迷の状況を新しいテクノロジーによってイノベーションを起こす機会と捉えていることにある。
また、コロナ禍においてもイノベーションの強化を最優先事項に掲げており、跳躍企業の67%が、非中核事業の収益増に取り組んでいる。
広範な価値創出(Reach)
社内のテクノロジー利用環境を広げ、従業員一人ひとりに合わせたアップスキリング、ウェルビーイング(主観的幸福)、メンタルヘルスへの対応を強化することで、より幅広い価値の創出に取り組むことが重要だ。
先行企業の65%は、従業員の幸福度を重視して、デジタルを活用した柔軟な働き方を実現している一方で、出遅れ企業では43%に留まっている。
先行企業の70%以上は、クラウド向けセキュリティへの投資を強化しているほか、68%がハイブリッドクラウドへの投資を強化している。
また、先行企業は「IoT」(70%)や「AIおよび機械学習」(59%)への投資も拡大。企業は、クラウド基盤を整備することでコスト削減を図り、IT予算の用途を維持管理からイノベーション創出へと転換することが可能になる。
こうした取り組みは、経営目標と整合したテクノロジー戦略を策定し、すべての利害関係者に価値を創出するための核となるものだ。
跳躍企業は、新興テクノロジーの活用範囲を以前より17%増やし、全社的にテクノロジーを取り入れることで、テクノロジー戦略の変革や優先事項の見直しを短期間で推進した。
また、さらなるテクノロジー活用に向けて組織改革を行ったことで、数年分の変革をわずか数カ月で成し遂げている。
構成/ino.
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