- インタビュイー
毎秒数十億件のユーザリクエストに対応するLINEのストレージ環境では,
LINEの強みはテクノロジーの内部までエンジニアが理解していること
- ――LINEのストレージ開発で意識していることを教えてください。
-
ハビエル:開発時にとくに気にしているのはパフォーマンスです。それに加えてコンシステンシー
(整合性) も意識しているところになります。またLINEではRedisをストレージの1つとして使っていて, 巨大なクラスタを構成しています。そのクラスタ内でデータの一貫性を保つことも重要な点です。 何らかの課題があり,
その解決策を検討する際には, それぞれのソリューションのメリット・ デメリットやビジネス上のニーズを考えながら判断することも重要だと認識しています。 - ――ストレージで使うソリューションを選定する際に,
気をつけていることを教えてください。 -
ハビエル:現在はさまざまなテクノロジーがあり,
新しいものが続々と登場しているほか, 既存のプロダクトの改善も進められています。これらのテクノロジーの中には, LINEが抱えている課題を解決できるものも少なくないでしょう。 そうした中で我々が意識しているのは,
テクノロジーの内部まで理解することです。LINEでは, ストレージとして利用しているRedis, そしてHBaseの専用チームがあり, それぞれのテクノロジーの内部に至るまで把握しています。我々の強みはテクノロジーにあるのではなく, その詳細を理解しているチームのエンジニアだと考えています。 新しいテクノロジーを利用することも当然視野に入っていますが,
一方でLINEはグローバルで約2億人が使っているサービスであり, もしテクノロジーの選定に失敗すれば大きな問題に発展します。このようにテクノロジーの新規採用には大きなリスクが伴います。 一方,
現状で利用しているテクノロジーは安定していて, またコミュニティの活動も活発です。さらに先に話したとおり, 専属のエンジニアが所属するチームもあるため, 今後もRedisとHBaseを使い続けます。ただ, 新たなストレージを探し続けていることも事実です。 - ――LINEのストレージ環境は,
これまでどのような変遷を辿ってきたのでしょうか。 -
鶴原:LINEがサービスを開始した当初は,
スピードを重視して立ち上げたこともあり, 当初はRedisだけを利用していました。これはパフォーマンスを重視した結果だったわけですが, 一方でデータを永続化するレイヤのデータベースがないという課題がありました。 サービスが拡大するに従い,
この状態では問題があるということで, Redisに加えてHBaseを利用するようになり, 徐々にRedisからHBaseへとプライマリーデータを移行しました。 -
ハビエル:HBaseの選定では,
MongoDBやCassandraなどいくつかのストレージをテストしたと聞いています。その際, 最もパフォーマンスが良かったこと, また安定性が優れていたことから, HBaseが使われることになりました。もし同じ検証を現時点で行えば, また違った結果になったかもしれません。
Baca Kelanjutan LINEの大規模ストレージの現在と未来 - Gihyo Jp : https://ift.tt/2N3spre
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