結城紬、伝統技術継承を 無形文化遺産登録１０周年 結城市で記念式典 - 東京新聞

色とりどりの結城紬が披露された着物ショー＝結城市で

　結城市の伝統工芸「結城紬（つむぎ）」が国連教育科学文化機関（ユネスコ）の無形文化遺産に登録されてから１０周年を記念し、市や結城紬の生産者は７日、同市国府町の市民情報センターで式典を開いた。着物の需要減や後継者不足で苦境が続く中、伝統技術の継承や世界への魅力発信を誓った。（水谷エリナ）

　結城紬は、結城市と栃木県小山市を中心に鬼怒川流域で伝えられてきた絹織物。「常陸風土記」などに記されている「長幡部施（ながたべのあしぎぬ）」をルーツに、室町時代のころには結城紬の名前で幕府などに献上され、全国的に有名な物産になったとされる。江戸時代には町人の間でも流行した。

　現代でも伝統的な技法で生産され、日本の紬の代表的な存在だ。糸つむぎなどの三工程が一九五六年に国の重要無形文化財に指定され、二〇一〇年十一月十六日にユネスコ無形文化遺産に登録された。

　記念式典では、小林栄市長が「伝統文化の価値を見直し、携わる人の英知を結集し、唯一無二の文化を次の世代に引き継ぎましょう」とあいさつ。結城紬の着物ショーも催され、約十五人のモデルが赤や黄色、青など色とりどりの着物に身を包んで会場を歩き、関係者が見入っていた。

　十周年記念事業実行委員会は「きものウィーク」と銘打ったイベントを結城、小山両市で展開中。協賛店で三千円以上買い物をすると結城紬のマスクがもらえる。二十二日まで。問い合わせは実行委＝０２９６（３２）１１１１＝へ。

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