CES2024のグーグルブース。
撮影:西田宗千佳
グーグルはラスベガスで開催中の「CES2024」に出展。Androidなどに搭載する新しい機能を公開した。
CESというイベントの性質上、グーグルの発表はスマートホームや家電連携などが中心になる。
ただ今回は、1つ大きな発表があった。Androidでは今後、OS標準の「ファイル共有」の仕組みとして、サムスンの「クイック共有(Quick Share)」が採用されることになった。
クイック共有はAndroidだけでなく、ChromebookやWindows PCでも広く採用される。
これはアップルがiPhoneなどで使うファイル共有技術「AirDrop」への対抗策でもある。
今回の変更がどんな意味を持つのか、解説してみよう。
スマホ選びの大きな理由になった「AirDrop」
iOSやiPadOS、macOSで使えるファイル共有機能「AirDrop」。
撮影:小林優多郎
スマートフォンで写真などのファイルを知り合いに共有したくなった時、どのような機能を使うだろうか?
メールやSMS、LINEなどに添付して送信方法もあるが、ファイル自体を「スマホからスマホへ」直接転送するのが近道だ。ここで使うのがファイル共有機能になる。
現状、この種の機能としてはアップルの「AirDrop」が圧倒的な知名度を持つ。iPhoneはもちろん、MacやiPadなど、アップル製品で同じように使えて、しかも簡単だからだ。
あまりに簡単で便利なので、特に若者世代では「AirDrop(略称・エアドロ)で写真などをシェアできること」が、友人関係において重要なことになっていると言う。
大袈裟なように思えるかもしれないが、「写真をAirDropでシェアできるから、友人同士ではiPhoneを選ぶ」という行動が存在する。
iPhoneのシェアが高いと言われる日本にもある傾向だが、昨今はアメリカでも、iPhoneのシェアを押し上げる1つの要因となっている。
サムスンの「クイック共有」をAndroidの基本機能に
グーグルはすでに「Nearby Share」を展開し、Android、Chromebook、別途ソフトをインストールしたWindows PC間でファイルを送り合える。
出典:グーグル
Androidを開発するグーグルとしては、この状況に対応する必要がある。
同社はAndroid向けとして、2020年に「ニアバイシェア(Nearby Share)」という機能をリリースした。用途としてはまさにAirDropと同じく、気軽なファイル共有を実現するものだ。
ただ現状、ニアバイシェアも利用頻度が高いとは言えず、AirDropほどの存在感を出せていない。
そこで今回グーグルが決断したのは、サムスンが同社製スマホ「Galaxy」シリーズで採用している「クイック共有(Quick Share)」への切り替えだ。
「クイック共有」アイコンをタップし、簡単に他人と写真などのシェアできる。
出典:グーグル
グーグルとサムスンは提携し、AndroidがOS自体に搭載する標準機能を、ニアバイシェアからクイック共有に切り替えてしまう。
要は、一番人気のあるAndroidスマホに使われている技術を、そのままAndroid全体で使う技術へと横滑りさせる決断をしたのだ。
同時にユーザーインターフェース(UI)が刷新され、「クイック共有」アイコンをタップするだけで周囲の「共有可能なスマホ」が表示され、簡単にファイルを共有できるようになっているという。
2月にもアップデート、PC/Chromebookにも対応
CES2024でのクイック共有のデモ。
撮影:西田宗千佳
「クイック共有」は、現在ニアバイシェアが使える機種のすべてに適応される。2月以降、アップデートで順次「クイック共有」への切り替えがスタートするという。
また、現在ニアバイシェアに対応しているChromebookも、そのまま「クイック共有」対応へとアップデートされる。
ニアバイシェアはWindowsにも提供されていたが、これも同様に「クイック共有」を推奨する形に変わる。
グーグルとサムスンは、LGなどのWindows PCメーカーとも協力体制を築き、各社のPCに「クイック共有」機能をプレインストールするように働きかける予定だ。
ただし現状、ARM系プロセッサーを採用したWindows PCには対応しないという。
「アップル以外」がクイック共有対応。ただし認知拡大も必須
ニアバイシェアがクイック共有になるが、依然として2つのOSの間は超えられない。
撮影:小林優多郎
この施策により、世の中にある多くのAndroidスマホとWindows PC、Chromebookなどの間で、ファイルの共有が簡単にできるようになる。
アップルは「自社製品同士で広くAirDropを使う」ことでエコシステムを構築しているわけだが、グーグルとサムスンは、とにかく幅広く使える機能にしてしまうことで、AirDropエコシステムに対抗しようとしている……と言えそうだ。
多くの機器で写真のシェアがしやすくなるのは歓迎すべきことだが、一方「共通規格ができたから」というだけで消費者は製品を買い替えない。利用が広がり、共通規格であることの実効性が高まってからのことになるだろう。
また、一度AirDropに慣れた人を惹きつけるには、単に同じことができるだけでは価値が薄い。
そもそも、ニアバイシェア自体が「OSメーカー自身による共通規格」に近いものだったわけだが、結局思うようには普及しなかった事実がある。
理由は、機能の安定性や認知度などに課題があったためと考えられる。そう考えるとグーグルは「クイック共有」について、ニアバイシェア以上に機能の存在をアピールし、利用を促進していく必要がある。
ただ本質的には、AirDropにしろクイック共有にしろ、「どちらかだけが使える」状態であるのは、消費者にとって望ましいことではない。アップルも「分断」解決に歩み寄る必要があるし、グーグルやサムスンも交渉のテーブルにつくべきではないか……と筆者は考える。
"アンドロイド" - Google ニュース
January 10, 2024 at 01:00AM
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グーグルのiPhone対抗策は「打倒AirDrop」。サムスン独自のファイル共有機能をAndroidに採用【CES2024】 - Business Insider Japan
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