サムスン新型スマホ｢Galaxy S24｣シリーズが発表。独自のAI機能でiPhoneから首位奪還を狙う - Business Insider Japan

写真左からGalaxy S24、S24＋、S24 Ultra。

撮影：小林優多郎

サムスンは1月17日（現地時間）、アメリカ・サンノゼで新製品発表会を開催。新型スマートフォン｢Galaxy S24｣シリーズ3機種を発表した。

• Galaxy S24
• Galaxy S24＋
• Galaxy S24 Ultra

いずれもグローバル発表で、日本での発売は未定。ただし、例年通りなら、いくつかのモデルは2024年春モデルとして展開される。

通話の双方向翻訳など、独自のAI機能を搭載

S24 Ultraは電子ペン｢S Pen｣を搭載している。

撮影：小林優多郎

Galaxy Sシリーズはサムスン製スマートフォンのフラグシップモデルだ。

最新機種のS24シリーズでは、発表会の予告段階から｢AI｣が全面に押し出されており、他のモデルでは現時点では使えないAI関連の新機能が最大の魅力となる。

S24シリーズ共通で使える主なAI新機能は以下の通り。

• 通話アプリによるリアルタイム音声翻訳。通話相手と自分それぞれの言葉が相手の話者の言語に翻訳される。話した内容はテキストでも保存される。
• Samsungキーボードアプリのチャットアシスト機能。メッセージアプリやSNSの投稿時など、リアルタイムで入力文を13の国語に翻訳。｢ていねい｣｢カジュアル｣｢絵文字化｣などTPOに合わせて翻訳できる。
• レコーダーアプリの文字起こしアシスト機能。日本語に対応し、録音後にテキスト化、要約、翻訳が可能。
• Samsung Notesアプリのノートアシスト機能。ノートの内容の要約や、表紙やタイトルの作成ができる。
• Circle to Search with Google。画面に映っているコンテンツを指やペンで囲んでビジュアル検索できる。
• Android Autoによるハンズフリー通信アシスタント機能。車の運転中に届いたメッセージを、要約して読み上げたり、返信アクションの提案をしたりしてくれる。

通話のリアルタイム翻訳機能は、デバイスで処理されることが明言されている。

撮影：小林優多郎

｢Circle to Search with Google｣を除くほとんどのAI機能は、無料のSamsungアカウントが必要になる。

通話アプリなど、即時性を求められるようなものは端末内で処理しているが、サムスンは基本的には｢クラウドとエッジ（端末側）のハイブリッド｣でこれらのAI機能を実現しているとしている。

なお、Circle to Search with Googleは今後ほかのAndroid端末にも展開される検索機能だが、現時点ではGalaxy S24シリーズで先行して利用できる。

夜景撮影や編集機能にもAI活用

S24とS24＋は超広角（1200万画素）、広角（5000万画素）、望遠（1000万画素）の3眼構成。

撮影：小林優多郎

Sシリーズはスマートフォンのフラグシップ機らしく、カメラ機能にも重点を置いている。

特に最上位機種のGalaxy S24 Ultraは超広角（1200万画素）、広角（2億画素）、光学5倍望遠（5000万画素）、光学3倍望遠（千万画素）の4つの背面カメラを搭載。デジタルズームでは最大100倍まで可能になっている。

また、AIによる機能強化はカメラや編集の面でも活用されている。特に顕著な変化があるのが夜景モードである｢Nightography（ナイトグラフィー）機能｣だ。

ナイトグラフィー機能で撮影してみたところ。暗所であってもぬいぐるみの｢毛ばたち｣のようなディテールも潰れず撮影できた。

撮影：小林優多郎

ナイトグラフィー機能では、従来より大きな内蔵センサーの大きさを生かし、光学5倍ズーム時であってもブレの少ない夜景写真が撮れる。また、ジャイロセンサーのデータも生かすことで、ズーム時の動画撮影もくっきりした画を残せる。

編集面では、｢ジェネレーティブ編集機能｣を搭載。これはその名の通り生成AIを用いた機能で、指定した被写体を消したり、窓越しで撮影した写真の写り込みを数タップの作業で削除できるようになる。

	Galaxy S24	Galaxy S24＋	Galaxy S24 Ultra
ディスプレイ	6.2型（FHD＋解像度）有機EL	6.7型（QHD＋解像度）有機EL	6.8型（QHD＋解像度）有機EL
CPU	Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy
メモリー	8GB	12GB
ストレージ	128/256/512GB	256/512GB	256/512GB/1TB
バッテリー	4000mAh	4900mAh	5000mAh
防水/防じん	IP68
ワイヤレス充電	対応
OS	Android 14

生成AIブームはスマホにも

サムスンは2023年、アップルに出荷台数ベースで追い抜かれてしまった。

撮影：小林優多郎

サムスンも昨今のAIブームに乗るために、S24シリーズで一気に具体的な機能を搭載してきた形だ。

一方で、アメリカの調査会社IDCが1月15日（現地時間）に発表した2023年のスマートフォン市場シェアの調査結果によると、1位はアップル（20.1％）で、これまで1位をキープしていたサムスンは世界2位（19.4％）に転落している。

アップルもさまざまなAI機能をiPhoneに搭載しているが、現時点ではストレートな生成AIを活用した機能が多いとは言えない。サムスンとしてはAI機能でリードすることで、自社製品の優位性を訴えていきたい狙いだ。

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