
持ち主が知らない間にスマートフォンが反応し、意図せずに110番をしてしまうケースが全国で多発している。グーグルの基本ソフト「アンドロイド」に新たに搭載された自動通報機能が原因とみられる。便利さを追求したスマホの進化が、警察の業務に支障を及ぼすなど思わぬ影響が出ている。(岡さくら)
「知らないうちに」…警察も出動
3月のある日、岡山県警の通信指令課に110番が入った。しかし、指令課員が「事件ですか、事故ですか」と何度呼びかけても応答はなく、「ガサガサ」という音しか聞こえない。
発信元の番号に10回以上かけ直したが、誰も出ないため、県警は位置情報を調べて、発信場所を特定。警察官が岡山市内の住宅に駆けつけると、高齢女性が「知らないうちに手があたったようだ」と説明した。
結局、通報から確認まで1時間以上かかった。
「間違いの可能性があっても安否が確認できるまでは全力を尽くす。その間、本当に助けが必要な事案への対応が遅れる恐れがあり、困っている」。県警の担当者はこう漏らす。
警察庁によると、昨年1年間の全国の110番受理件数は約937万件。一方、通報はあったものの受理していない「誤接続」と「無応答」の件数を同庁が調べたところ、昨年は計158万7066件で前年(計97万3944件)の約1・6倍になっていた。
カバンの中で
増加の要因と指摘されるのが、2021年10月にリリースされた「アンドロイド12」以降の基本ソフトに追加された新機能だ。
スマホの側面などにある電源ボタンを5回以上連続して押すと、緊急連絡先に自動発信される仕組みで、画面を見ることができない状況でも通報できる。日本では「110」が初期設定になっている。
この機能を知らず、カバンの中で何かがボタンに触れてしまったり、音量ボタンと間違って押してしまったりして発信されてしまうケースが多いという。
長野県警が昨年末、誤接続について発信者に聞き取り調査したところ、約300件の9割超がアンドロイド搭載のスマホだった。
通報機能はスマホの初期設定でオンになっていることがあるが、手動でオフにすることもできる。
「MMD研究所」(東京)の22年の調査では、国内のスマホ利用者の51%がアンドロイド搭載のものを使用している。
警察庁は昨年11月、携帯電話各社に対し、この機能の存在や不要な場合はオフにすることを利用者に周知するよう要請。各社はホームページで設定の見直しを呼びかけているが、十分認知されていない。
一部のメーカーはオフにして出荷するようになったが、従来通りオンで出荷するメーカーもある。一律に決めるのが難しいのは、実際に危険な状況に置かれた時、有効な通報手段になり得るためだ。
NPO法人「日本こどもの安全教育総合研究所」(東京)の宮田美恵子代表は「加害者の前では、怖くて電話で助けを求めることが難しい。大人も子どもも性被害などに遭った時に役立つ」と話す。
iPhoneでも「119番」
誤通報は、アップルのiPhone(アイフォーン)でも起きている。
iPhoneには、衝撃を検知すると自動的に119番し、位置情報を伝える機能がある。交通事故などを想定したものだが、昨年からスキー場で転倒した人のiPhoneからの119番が続発。消防が安否確認に手間取った。
ITジャーナリストの三上洋さんは「近年のスマホは、利用者の安全を守る機能を付ける流れになっているが、知られていないことが問題だ。携帯電話会社やメーカーはより丁寧に機能を説明する必要がある。必要とする人が自分で選択できるようにするほうがいいだろう」と話している。
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May 14, 2023 at 04:00AM
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