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リハビリにテクノロジーを 会社を設立 小林大作さん - 朝日新聞デジタル

下地毅

 和歌山県有田川町の小林大作さん(37)はテクノロジーと、障害のある人や病気の人とをつなぐアシテック・オコを4月につくった。スマホやタブレット端末やその他もろもろを使って生活を楽しむのを手伝う会社だ。

 パソコンで詩を書く。ゲームをする。電話をかける。なんでもいい。「やりたい」を「できる」に変えるのにぴったりの情報通信技術(ICT)機器の活用を提案し、まばたき・くちびる・親指などで操作するボタンやスイッチやらの道具もつくる。

 したがってデジタル関係には平均よりくわしいのだろうが、この青年の本質をまちがえてはいけない。仮想の空間に執着する「オタク」では断じてなくて、現実の人間に向きあうリハビリテーションの専門家だ。

 2007年に作業療法士になった。病院で働き、大学院で学び、訪問看護ステーションに勤めた。新人のころ、かすかに動くひじで操るテレビのリモコンをつくったら、その人の表情が劇的に輝いた。人が人らしく、子どもが子どもらしく生きて遊ぶのにICT機器が欠かせないものとなった現代、遠ざけられている障害者らの存在を思った。

 提案の前の対話に全力を尽くす。どう生きてきたのかを聞くことでしか、その先の大切にしたい生活と人生とは見えてこないという。あきらめていたり、試す機会がなかったからあきらめていることに気づいていなかったりする人から、「どうしたい」「こうありたい」を引きだす。心のゆらぎや余白を見つめる。対話の結果として、その人が使うべきものがこれまでの福祉用具ならばそれでいい。ICT機器は選択肢のひとつとしてある。

 「いつも支援のときは足が震えています。怖いんですよ。この人のためだと思い込んで、本人を置き去りにしていないかって」

     ◇

 アシテック・オコ(有田川町徳田)への問い合わせは電話(050・7116・8560)やメール(info@assitech-oc.comメールする)で。初回の相談は無料(小林さんが訪問するときは交通費のみ)で、多種多様なICT機器の体験もできる。支援プラン案や料金に納得したら申し込みへすすむ。(下地毅)

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