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鵜舟造りの技術、船頭が継ぐ 舟大工後継者育成へ3人に白羽の矢 - 岐阜新聞



  • 田尻浩さん(左)の指導を受けながら、鵜舟を造る今井翔佑さん(中央)と國枝昌平さん(右)=美濃市曽代、県立森林文化アカデミー 
  • 総がらみを披露する鵜匠たち。鵜舟は老朽化が進む=10月、岐阜市の長良川 

 岐阜市の国重要無形民俗文化財「長良川の鵜飼漁の技術」の継承に取り組む岐阜長良川鵜飼保存会は、美濃市の県立森林文化アカデミーで、鵜匠が乗る鵜舟造りを始めた。特殊な技術が必要とされる鵜舟を造れる舟大工は県内に2人のみで、鵜舟の船頭を務める3人が技術の習得を志した。6年で鵜匠全6人分の舟を毎年1隻ずつ新調し、1300年以上続く鵜飼の未来を託せる人材を育てる。

 鵜舟造りに挑戦しているのは今井翔佑さん(34)、國枝昌平さん(26)、宮田康弘さん(48)で、鵜飼期間外は、道具の整備や鵜の世話に励む。鵜匠代表を務める杉山雅彦会長(61)が、舟大工の後継者を育成しようと3人に白羽の矢を立てた。今井さんは「鵜匠や船頭の命を預ける鵜舟は最も大切な道具の一つ。自分たちが乗る船がなくなるのは嫌だし、伝統を学んでみたかった」と話す。

 3人は鵜匠を支える仕事の傍ら、週2~5日アカデミーに通い、約10年間鵜舟造りに携わる田尻浩さん(61)=郡上市=の指導を受ける。コウヤマキの板材を使い、現在は鵜舟の底板を作っている。板を削ったり、くぎを打ったりする基本の技術の習得に励む。

 来年3月末までに全長約13メートル、最大幅約1メートルの鵜舟を完成させる予定で、國枝さんは「自分が携わった鵜舟を自分で動かす日が待ち遠しい」と意欲を見せる。

 県内で鵜舟を造る技術を持つのは、那須清一さん(90)=美濃市=と、その教えを受けた田尻さんのみで、後継者不足が課題。那須さんは高齢で足腰の状態が良くなく、指導や作業をするのは難しくなっている。岐阜長良川鵜飼保存会によると鵜舟の寿命は10年前後で、舟大工の担い手不足から修理もままならない状態が続いている。鵜舟は急な動きにも耐えられる丈夫さが求められ安定性重視の観覧船とは造り方の方向性が異なり、製法はあまり応用できない。

 田尻さん自身は、大工仕事の経験があっても、1人で鵜舟を造ることができるまで8年程度かかったという。田尻さんは指導する3人が自主練習する姿を評価しており「本気で鵜舟を造るなら面白半分では無理。自分もやめたいと思う時もあった。ほぼ初めてでも熱心に打ち込む3人に期待は大きい」と太鼓判を押す。

 市文化財保護課によると、「長良川の鵜飼漁の技術」の保存活用計画が7月に、民俗文化財として全国で初めて文化庁に認定されており、鵜匠が道具作りに関わることは、持続可能な鵜飼の実現の意味でも「大きな一歩」と言えるという。杉山会長は「若手が頑張ってくれるのは心強く、これからの鵜飼を支えてほしい」と目を細めた。

カテゴリ: くらし・文化 社会



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November 13, 2021 at 06:28AM
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