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テクノロジーで進む教育と金融の民主化 - 日経ビジネスオンライン

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 新型コロナの感染拡大防止のため突如休校を余儀なくされ、オンライン授業に切り替える必要に迫られた日本の教育現場は大きな打撃を受けました。一方、米国や欧州では新型コロナ以前からオンライン講座が公開されており、受講の動きが広まっていました。

 インターネットを通じて世界各国の有名大学の授業を受けられる仕組みは、「MOOC(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン講座)」と呼ばれています。

 有名なサービスとして「Udacity(ユダシティ)」や「Coursera(コーセラ)」「edX(エデックス)」などがあります。日本では日本オープンオンライン教育推進協議会による「JMOOC(ジェイムーク)」がオンライン授業を配信しています。

 これらのサービスは基本的に無料で視聴でき、一部の動画視聴や成績評価や採点、修了書の取得などをオプションサービスとして提供することで対価を得るビジネスモデルを取っています。

 ほかにも、コロナ以前より話題になっているオンライン授業のケースとしては、米カリフォルニア州のミネルバ大学の取り組みがあります。ミネルバ大学はオンライン授業形式を取り、特定のキャンパスを持っていません。1クラスは20人以下と少人数制。ユニークなのは学生は4年間でサンフランシスコ、ソウル、ハイデラバード、ベルリン、ブエノスアイレス、ロンドン、台北と、世界7都市を巡って寮生活を送るという点です。

 日本でも学校法人の角川ドワンゴ学園が運営する通信制の「N高等学校」があります。開校時は1500人だった生徒数は、2020年には10倍の約1万5000人にまで増加し、開校からわずか5年で日本一のマンモス校になりました。物理的な教室で学ぶ場合には、教室の収容人数が生徒数の上限になりますが、オンライン授業の場合、同時に何人でも、世界中どこからでも受講できます。

 教育機関にとっては授業開講や動画配信にかかるコストは変わらないというメリットがある一方、受講生にとっても受講料金が安くなる上に、アーカイブの視聴や倍速視聴ができるといった利便性があります。

 何より、経済的に機会を得られなかった学生に教育の門戸を広げられる意義があります。また、これまで海外留学しないと受けられなかった授業も、手軽に自宅から受けられるわけです。大学のあり方もオンライン授業によって大きく変わっていくことでしょう。

 受験生向けの市場でも低廉なサービスが広がっています。リクルートが提供する受験生向けが主力のインターネット教育サービス「スタディサプリ」は、月額1650円(税別、ベーシックコースを12カ月一括払いの場合)で受講できます。これまで塾や予備校に支払っていた月謝を考えれば、格段に料金を抑えることができます。

 学生だけでなく、社会人の学び直しや研修としてのオンライン授業も、より身近になるでしょう。日本でもすでに社会人向けにオンライン授業を提供するサービスがあります。グロービスが提供する「グロービス学び放題」や、日経BPが提供している「日経ビジネス課長塾オンデマンド」などです。デジタルホールディングスでもグループ会社を通じて、社員のデジタルリテラシーを向上させるオンライン講座を提供しています。

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