
日本製鉄が中国の宝山鋼鉄とトヨタ自動車を特許侵害で訴えた背景には、鉄鋼業界における激しい競争がある。電磁鋼板は電気自動車(EV)のモーター向けに需要が急増する一方、日本の鉄鋼大手が技術開発でリードしている。「最大のライバル」(橋本英二社長)である中国勢の台頭に直面する日鉄としては是が非でも優位性を守りたい分野で、特許侵害に対してはとりわけ敏感にならざるを得なくなっていた。 EVには、エネルギー効率が高く、航続距離を延ばせる高性能のモーターが必要だ。電磁鋼板はモーターの主要部材である鉄心の素材として磁性をコントロールし、より少ない電力で回転させたりする目的で使われている。 技術開発で先行する国内鉄鋼大手の中でも、日鉄は平成9年にトヨタが発売したハイブリッド車(HV)「初代プリウス」をはじめ多くの車に製品を納めてきた。鉄鋼各社は国内市場の縮小をにらんで製鉄所の基幹設備である高炉を相次ぎ休止しているが、電磁鋼板については逆に多額の費用を投じて生産能力を増強している。 もっとも、有望分野の電磁鋼板には中国などの海外勢も力を入れている。トヨタが一部車種で宝山製電磁鋼板の採用に踏み切ったことは、関係業界では以前から話題となっていた。 高性能で収益性が高い電磁鋼板は、産業スパイの標的にもなりやすく、経済安全保障と密接にかかわっている。日鉄は、ポスコとの訴訟と今回の件は提訴の根拠となる法律や事実関係がかなり異なると説明するが、全く無関係とはいえない。なぜならポスコの件は、同社の元社員が日鉄(当時は新日本製鉄)から入手した技術を宝山に売り渡したことが端緒となって発覚したからだ。 一方、提訴が、国内のものづくりを牽引(けんいん)してきた日鉄とトヨタの長年の協力関係に影響を及ぼすのは必至だ。両社は半年に一度、鋼材の価格交渉を行っており、影響力の大きさから「チャンピオン交渉」と呼ばれる。8月下旬には激しい交渉の末に大幅値上げで決着したが、日鉄は値上げを勝ち取るために鋼材供給停止まで切り出したといわれた。引き続き価格是正を求める構えの日鉄に対し、トヨタは輸入鋼材の比率を高めることも視野にあるとみられ、訴訟の行方次第では、ただでさえぎくしゃくする両社の関係にヒビが入りかねない。
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October 14, 2021 at 10:37PM
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