
AI、コンピューティング技術など5領域強化
マハジャン氏はインド出身ではあるものの、これまでにも日本オラクルや日本IBMなど日本のIT企業で活躍してきたことで知られている。 同氏は「CTOに就任してまだ3カ月だが、当社は多くの技術蓄積を有するとともに、企業としての長い歴史があると実感している」と語った。特に今後取り組みを強化する重点領域としては、スーパーコンピュータやHPC(High Perfomance Computing)、量子コンピュータなどを含む「コンピューティング領域」、集めたデータを運搬するインフラとしての「ネットワーク領域」、データに基づいた事業的な意思決定を支援する「AI(人工知能)領域」、データの安全性を高めるための「データ&セキュリティ領域」、デジタル技術と人文社会科学を融合した「コンバージング領域」の5つを取り上げる。 例えば、コンピューティング領域において富士通は、理化学研究所と共同開発を進める「富岳」をはじめ、量子コンピュータ、デジタルアニーリング分野での多数の技術資産を持つ。マハジャン氏はスーパーコンピュータ、HPC、量子コンピュータのハードウェアとソフトウェアを含むトータルなソリューションを、as a Service形式で提供することで顧客課題の解決を目指していくとした。 この他、AI分野での技術的な強みについては、行動認識AI、AI因果の発見(説明可能AI)、AIを用いた大規模シミュレーションなどの分野を取り上げた。富士通は、行動認識AIについては世界体操連盟に採用された体操支援システムを、大規模シミュレーションでは東北大学災害科学国際研究所などと共同研究を進めるリアルタイムの津波浸水予測技術などを開発実績として有する。 また、マハジャン氏はソフトウェア研究開発の取り組みを加速するため、インドとイスラエルに新しく研究開発拠点を設立すると述べた。インドとイスラエルの現地大学などと連携しつつ、研究開発を推進していく予定だ。優秀な人材を確保して、AIや量子コンピュータ技術、セキュリティ技術などの分野における研究開発のグローバル体制強化を狙う。 マハジャン氏はCTOとしての今後の役割について「日本国内だけでなく、グローバル市場を見据えたビジネスを展開していくことが、私のパーパス、そしてミッションだと考えている。富士通の技術力は世界でもトップクラスだ。デジタル戦略と併せて顧客に提供できれば、トップラインでもボトムラインにおいても貢献できると考えている。デジタル世界を支えるような仕組みを社内外で作っていく」と語った。
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October 14, 2021 at 07:05AM
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