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【独自】先端技術研究の留学生、入国審査を厳格化…中国念頭に職歴・資金支援の報告要請 - 読売新聞

 政府が、国内の大学に留学する外国人の入国審査基準を厳格化し、今春から本格的に運用を始めたことが分かった。日本の大学で軍事転用が可能な先端技術を研究する場合、学歴や職歴のほか、必要に応じて留学や研究に関連して資金提供を受けている団体や企業についても、大学側が出入国在留管理庁に詳しく報告するよう求めている。経済安全保障の観点から疑わしい人物と判断すれば、ビザ(査証)の発給を認めないことも検討する。

 複数の政府関係者が明らかにした。中国を念頭に、軍事転用可能な先端技術の流出を防ぐ狙いがある。同庁は国家安全保障局(NSS)を中心に外務、経済産業両省などとも連携する。

 従来、大学が同庁に提出するのは留学生受け入れの承諾書や、最終学歴を記した履歴書などに限られていた。新たな運用ではロケットの素材や人工知能(AI)などを研究する留学生の過去の学歴や職歴、出身組織や契約関係など詳細な経歴を書類で提出させる。

 このほか、〈1〉外国からの財政支援の受け入れ状況〈2〉研究内容と兵器開発の関係〈3〉帰国後に軍事関連企業に就職予定があるかどうか――も大学側に確認させ、必要があれば報告を求める。

 政府は、審査の厳格化で、中国軍の兵器開発とつながりが深いとされる「国防7校」の出身者や、外国機関から多額の留学費用を得ているケースを事前に洗い出したい考えだ。疑わしい人物に関する情報はNSSや外務省などと共有し、重大な問題があると判断すれば、出入国管理法に基づき、ビザの発給拒否も辞さない。

 法務省によると、2019年に新規入国した留学生は約12万2000人。中国が最多の約4割を占め、次いでベトナム、韓国が多い。政府高官は「留学生を増やすのは国の方針だが、疑わしい人物を排除できなければ、先端技術の国際共同研究を進める上で足かせになりかねない」と指摘する。

 米国や豪州は、中国が留学生を使って戦略的に先端技術の獲得を狙っていると警戒を強めており、歩調を合わせる狙いもある。日米豪印4か国は今月13日、最先端技術に関する会合をオンライン形式で開催し、協力の強化を確認した。

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July 20, 2021 at 03:00AM
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