米国三菱重工業は4月15日、テキサス州ブラウンズビル港で計画されているリオグランデLNGプラント(注)の排ガスから二酸化炭素(CO2)を回収するシステムについて、基本計画を提供することでLNG開発会社ネクストディケード(本社:テキサス州ヒューストン)と合意した。
今回の合意により、米国三菱重工業はCO2回収システムの基本設計、CO2回収技術のライセンス供与を行う。システムの建設は経済性の検討を経た後となるが、実現すれば、排ガスからCO2を回収・貯留(CCS)する技術を商業用のLNGプラントに適用する世界初の取り組みとなる。狙いは温室効果ガスの効果的な排出削減だ。
全世界で13基の商用機納入実績を誇る三菱重工グループの三菱重工エンジニアリングが関西電力と共同開発したCO2回収技術「KM CDR Process」を採用し、LNGの低炭素化を目指し、将来的にはガス精製過程での回収分も含めて年間500万トン規模のCO2排出削減を見込んでいる。
米国三菱重工業の白岩良浩社長は「三菱重工グループは、世界規模でのカーボンニュートラル実現に貢献するため、エナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)分野の取り組みを強化している。今回、世界初のLNGプラント排ガスからのCO2回収技術の適用となり、将来の脱炭素社会への道を開くものだ」と述べている。
ネクストディケードは3月25日、同じくリオグランデLNGでのCCSプロジェクトで米大手石油開発会社オキシデンタルの子会社オキシー・ローカーボン・ベンチャーズ(本社:テキサス州ヒューストン)と連携すると発表している(2021年4月5日記事参照)。
(注)同プラントは、ネクストディケードの100%子会社ネクスト・カーボン・ソリューションズが建設する。
(沖本憲司)
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April 19, 2021 at 10:59PM
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