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「技術の結晶」ほれ込む - 読売新聞

 スコットランドから来日し、東広島市安芸津町の酒蔵「今田酒造本店」で修業を積む。「これは辛口純米、こっちは海産物に合うように造られた『海風土シーフード』。日本酒は生き物なので毎日様子を見ないといけないし、朝が早くて大変だけど、楽しい」。大きなタンクがずらりと並び、ほんのりと日本酒の香りが漂う中で、笑顔を見せた。

     ◇

 高校を卒業後、大手自動車会社「BMW」のディーラーで12年間、営業職として働いた。退職後の2010年にワーキングホリデーを取得。黒沢明監督の映画で興味を持った日本を行き先に選び、英会話講師として働きながら各地を見て歩いた。11年3月の東日本大震災で帰国したが、「もっと深く知りたい」と29歳でエディンバラ大に入学し、日本文化を専攻した。

 留学した岡山大で参加した飲み歩きのイベントで、日本酒の魅力に気付いたという。母国で飲んだ時は「きれいなお酒だな」としか思わなかったが、岡山県倉敷市の酒蔵「十八盛酒造」の酒を口にして、「こんなにおいしいお酒を米から造れるなんて」と衝撃を受けた。蔵ごとに異なる職人のこだわりも「技術の結晶」のようで、粋に感じた。

 晴れた日は大学近くの河川敷に友人と集まり、イチオシの日本酒を1本ずつ持ち寄っては、酒盛りをして楽しんだ。エディンバラ大卒業後の16年に再来日。十八盛酒造で見学に訪れる外国人向けの通訳などをしながら、住み込みで酒造りの基本を教わった。18年には、以前に酒蔵を見学させてもらった縁で、今田酒造本店に移った。

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 周囲の職人からは「アンディ」と呼ばれる。毎朝の起床時間は、日が昇る前の午前4時30分頃。日本語の勉強をしながら朝食を取り、午前6時前から蔵で酒の面倒を見て、瓶詰めなどをして夕方まで働く。風呂と夕食を済ませ、読書やテレビで息抜きをすると、午後9時には布団に入る。

 夢は自分の日本酒を一から造ることだ。「遠い将来の話」と謙遜しながらも、今季からは重要な仕上げの工程「搾り」にも加わり、着実に歩みを進めている。仕事のない日も酒造りや日本語の勉強をするなど、地道な努力も重ねる。「今は日本酒に夢中ですから」。情熱は尽きない。(飯田拓)

 アンドリュー・ラッセル 1981年生まれ。日本酒には「温度や器、季節によって色々な楽しみ方ができる。ワインなどと異なり、上質な商品が安価に手に入るのも珍しい」とほれ込んでいる。外国人向けに「Sake」の魅力を伝える英語サイト(https://www.originsake.com/)で、豆知識を交えたブログ記事も執筆している。

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January 31, 2021 at 03:00AM
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