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秋田県内の日本酒の酒蔵が発酵技術を生かし、より付加価値の高い食品や製品づくりに相次いで乗り出している。酒造りの過程で出る米ぬかや酒かすを活用する。
日本酒の「爛漫(らんまん)」などを醸造する湯沢市大工町の秋田銘醸で21日、機能性発酵素材工場の完成式があった。床面積540平方メートル。4トンの発酵タンク3基、自動乾燥粉砕設備2基、貯留、じゅうてん設備などを備える。総事業費は2億5千万円で生産拡大と衛生面の向上を図る。
県産の米ぬかや酒かす、規格外枝豆を原料に、酒造業の発酵技術を生かして付加価値の高い食品素材を製造する。製品は県内外の食品事業社に販売する。
県は今年度から、食品事業者による新技術や地域資源を活用した新分野への販路開拓を、支援する補助事業「あきた食品産業活性化モデル育成事業」を立ち上げ、国とともに支援している。金融機関や関係機関で支援チームをつくり、原材料調達から販路開拓までフォロー。初期投資費用の二分の一、上限2500万円を補助する。秋田銘醸はこの事業を活用して、設備投資を進めた。
米ぬかから製造するのは、血圧降下作用やリラックス効果が報告されているアミノ酸の一種のGABA(ギャバ)を多く含む米ぬか発酵粉末。米ぬかからの抽出技術は県総合食品研究センターとの共同研究で確立した。
酒かすは粉末にする。食品以外にもサプリメントや加工原料として期待できるという。秋田大との共同研究で、免疫調節作用に関する特許を出願している。枝豆はさやも含めて乾燥粉末にする。常温での長期保存が可能で、県産だと明記、色々な商品への活用が期待されている。
今年の売り上げ目標2400万円を4年後に1億5300万円に伸ばすのが目標。担当の大友理宣専務(48)は「県内企業に素材提供することで新たな付加価値のある商品開発につなげたい。東北の素材工場の拠点となるように頑張っていきたい」と話す。
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日本酒「まんさくの花」の醸造元の横手市増田町の「日の丸醸造」は、酒かすを主な原材料とした食品加工品「ぽん酒」シリーズ3種を1月初旬から発売する。全国的な発酵食品ブームのなか、家庭でも食べやすい商品にした。
同社では年間約60トンの酒かすができる。かつては、一般家庭で漬物などに使われ、ほとんどが消費されてきたが、近年は食文化の変化で消費が半分程度に減った。残りは家畜の飼料として処分されているという。
加工品は白と茶色のチョコレート味のペースト2商品(120グラム)とパルメザンチーズ風味のフレーク(粉状)商品(60グラム)。ペーストはパンやクラッカーに、フレークはサラダやトマトに合うという。フレークにはアルコール分は含まれない。同市のワンダーマートが商品の企画開発を手がけた。価格は800円(税別)。直売や道の駅での販売を予定する。
佐藤譲治社長(70)は「酒かすは栄養価があり、もっと有効活用されていい。新たな秋田の食文化や美酒王国の特産品になれば」と話している。(山谷勉)
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December 29, 2020 at 08:30AM
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爛漫の秋田銘醸が発酵技術を生かした食品素材工場新設 - 朝日新聞デジタル
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