ソフトバンクとウィルコム沖縄が共同で展開する「Y!mobile(ワイモバイル)」ブランドの通信サービスは、ソフトバンクの自社ブランド「SoftBank」と比べて手頃な料金で利用できることが特徴です。スマートフォンの本体も同様に、手頃な価格のミドルレンジ(中位)スペックのものが多くなっています。
Y!mobileといえば「Android One(アンドロイドワン)」ブランドを冠するスマホが幾つかあります。このブランドを適用した端末は共通した特徴を必ず満たしていることが最大の特徴です。
そもそも、Android Oneとは何なのでしょうか。
Android Oneとは?
Android Oneは、Android OSの開発を主導するGoogleが展開するAndroidスマートフォンのプログラムで、2014年にスタートしたものです。
当初のAndroid Oneは、「経済的にスマートフォンを購入できない“残りの50億人”にスマートフォンを提供する」ことを目的としていました。簡単にいえば開発途上国向けのスマホを作るためのプログラムでした。Googleがソフトウェアやハードウェアの仕様(要件)を定め、メーカーに展開することで端末の開発コストを引き下げ、結果としてユーザーの購入価格を引き下げようという作戦です。
世界初のAndroid One準拠スマホとしてインドで発売された「Karbonn Sparkle V」は6399ルピー(当時の為替レートで約1万円)と、Androidスマホとしては非常に廉価な価格設定でした。
2016年からはプログラムの方針が一部変更され、日本を含む一部の先進国でも展開が始まりました。
従来のAndroid Oneでは「エントリー中のエントリー」というスペックのスマホが中心でした。しかし通信ネットワークが充実している工業国の市場では、「エントリー中のエントリー」では力不足感は否めません。
そこで、工業国で展開されるAndroid Oneスマホは、ミドルレンジ、あるいは過去世代のハイエンドスペックを備えるものが用意されました。ただし、経済的な特徴は引き継いでいて、一般的なAndroidスマホよりも手頃な価格であることには変わりありません。
日本では2016年7月、初めてのAndroid One準拠端末としてシャープ製の「Android One 507SH」が発売されました。507SH以来、日本におけるAndroid One準拠端末は全てY!mobileまたはSoftBankブランドから発売されていますが、あくまでもAndroid OneはGoogleのプログラムであって、ソフトバンクのブランドではありません。
Android Oneスマートフォンの特徴は?
先述の通り、Android Oneに準拠するスマートフォンはGoogleが定めた一定の要件を満たす必要があります。2020年11月現在の主な要件は以下の通りです。
- 発売から最低2年間はOSバージョンアップを提供すること
- 発売から最低3年間はセキュリティパッチを毎月配信すること
- ユーザーインタフェース(UI)はGoogleが設計したものとすること
1台のスマホを長く使う上では、OSのバージョンアップやセキュリティパッチは非常に重要な要素です。Android One準拠の端末を買えば、少なくとも3年間は安心して使えます。
Androidスマホは、メーカーがUIに独自のカスタマイズすることが多く、メーカーが変わると使い勝手が大きく変わることも珍しくありません。その点、Android Oneスマホはメーカーを問わずUIが統一されているため、メーカーをまたいだ機種変更も安心です。
プリインストール(初期導入)アプリも必要最小限のものとなっているので、迷うことも少ないです。自分でアプリを入れてカスタマイズしたい人にもぴったりです。
Android Oneの展開地域は限られる
先述の通り、Android Oneは地域を限定して展開されています。主な展開地域は以下の通りです。
- 日本
- イギリス
- オーストラリア
- インド
- スペイン
- メキシコ
- フランス
- インドネシア
- ブラジル
- ベトナム
- トルコ
- ロシア
- タイ
- 台湾
Y!mobileのAndroid Oneスマートフォン
Y!mobileにおいて、11月15日現在販売されているAndroid Oneスマートフォンは以下の通りです。
Android One S7(シャープ製)
シャープ製のミドルレンジAndroid Oneスマホです。オンラインストアでの定価は2万6640円(税込み)となっています。メインメモリは3GB、内蔵ストレージは32GBで、最大512GBのmicroSDXCメモリーカードを搭載可能です。
手頃な価格ですがおサイフケータイに対応し、防水・防塵(じん)ボディーを備えています。バッテリー容量は4000mAhと大きめで、省電力性に優れたIGZO液晶ディスプレイ(フルHD+)と組み合わせることで長時間のバッテリー持ちを実現しています。
ソフトウェアの更新と並んで長く使う上で重要なボディーも頑丈さは、「MIL規格( MIL-STD-810G)」に準拠した19種類のテストで担保しています。
Android One S6(京セラ製)
京セラ製のミドルレンジAndroid Oneスマホです。オンラインストアでの定価は2万4840円となっています。メインメモリは3GB、内蔵ストレージは32GBで、最大512GBのmicroSDXCメモリーカードを搭載可能です。
低価格ではあるものの、アウトカメラはデュアル(二眼)構成で、背景をぼかした「ポートレート撮影」が高精度に行えます。ディスプレイも5.84型と大きく、解像度もフルHD+ときめ細かくなっています。
もちろん、おサイフケータイや防水・防塵性能もしっかり備え、MIL規格に準拠した耐衝撃性能も有しています。
Android One X5(LGエレクトロニクス)
LGエレクトロニクス製のハイスペックAndroid Oneスマートフォンです。オンラインストアでの定価は5万4000円となっています。メインメモリは4GB、内蔵ストレージは32GBで、最大512GBのmicroSDXCメモリーカードを搭載可能です。
先に紹介した2機種と比べるとスペックは少し高めで、プロセッサはQualcommのSnapdragon 835となっています。過去世代のハイエンド向けプロセッサですが、スペック的には今でも現役クラスです。ディスプレイは6.1型、解像度はWQHD+と、フルHDを大きく超えるきめ細かさです。
アウトカメラは1600万画素と800万画素のデュアル構成で、人工知能(AI)ベースのシーン自動検出にも対応します。ハイレゾ対応イヤフォンをつなげば、高音質な音楽にも対応できます。おサイフケータイや防水・防塵性能もしっかり備えています。
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