大企業管理職から町工場社長
経営者の高齢化などで、事業の引き継ぎに悩む中小企業は多い。石川県加賀市の金属加工「新家製作所」もそうした町工場の一つだった。今年七月に社長に就いた山下公彦さん(56)=金沢市出身=は、総合重機大手IHI(東京都)を早期退職し、Uターン。親族や従業員でもない、個人による事業承継で経営を引き継いだ。「いい会社と人、技術を守り、新しい価値を生み出したい」と展望を描く。(小室亜希子)新家製作所は一九五六年に創業。産業用チェーンなど金属部品の加工や接合、塗装などに幅広く対応する。年間の売上高は六千万〜七千万円で、従業員は十二人。四十五年にわたり会社を率いた社長が昨年九月、七十九歳で亡くなった。親族や社内に経営に通じた人材はおらず、事業承継のマッチングをする石川県事業引継ぎ支援センター(金沢市)に親族が相談した。
同じころ、IHIの管理職だった山下さんは会社の早期退職制度を利用し、後継者のいない中小企業の事業を引き継ごうと、東京で情報を集めていた。少し前に社内のライフプランセミナーを受け、この先の人生を考えたのがきっかけだった。金沢市内にいる高齢の両親も気掛かりだった。
「趣味で残りの人生を過ごせるのか。東京と石川の二拠点生活になるなら、長く仕事ができて自由度のある経営者がいい」
十一月にセンターに登録して間もなく、新家製作所を紹介された。工場を訪れてすぐ、技術力の高さは分かった。企業規模の違いはあれど、IHIと同じものづくり産業。航空機エンジンの製造や品質管理に携わってきた経験を生かせると考えた。センターの仲介で親族からの株式譲渡を進め、IHIを早期退職した翌月、社長に就任した。
新しい職場では驚くほど多品種の注文に、二十〜七十代の従業員が短納期かつ低コストで対応している。そこに最近、自社製品の開発が加わった。「日本のものづくりを支えてきた中小企業を守ることの意味は大きい。会社を単に継続するのではなく、時代に合わせて続けられるようにしていくのが私の役割です」
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【石川】挑む事業承継 技術は未来へ 加賀の製作所「新たな価値生む」 - 中日新聞
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