クラッチはメンテナンス次第でバイク自体の扱いやすさが大きく変わる重要なパーツである。エキサイティングな走りが魅力の絶版2ストマシンの場合、クラッチが滑ったり切れが悪いと興ざめだが、アドバンテージのクラッチキットを使えば、軽い操作性でエンジンパワーを確実に伝達できる最強の駆動系が手に入る。
最新摩擦材を活用すれば、スプリングの張力に依存しなくても滑らない!!
クラッチレバーを握っているのにズルズルと前進し、ローギヤでスロットル全開にするとエンジン回転だけが先行してしまう。ストレスを感じながらも「絶版車だから仕方ない」と諦めがちな2スト車用クラッチキットラインナップの充実化を図っているのがフットワークパーツのプロショップ「アドバンテージ」だ。
フリクションプレートとクラッチプレートはバイク用クラッチで世界のトップシェアを誇るFCC製を使用するが、機種別キットの開発にあたってはすべてアドバンテージで再設計と最適化を行うことで、バイクメーカーからもFCCからも購入できないアドバンテージ独自の製品となっているのが最大の特徴である。
絶版2ストのクラッチは、昔ながらの摩擦材をバネレートの高いスプリングで押しつけている機種も多い。アドバンテージでは繋がりのソフトさとパワーを受け止める伝達力の高さを両立したフリクションプレート、最新の表面処理で耐久性と耐歪み性を共存させたクラッチプレート、高温でも熱ダレしづらいバルブスプリング材を用いたクラッチスプリングのコンビネーションで、絶版車用クラッチのイメージを刷新。
バイクの見た目は変わらず実用性が大幅にアップするクラッチのアップデート。愛車のメンテナンスで積極的に取り入れていきたいものだ。
ホンダNSR250R用
「トラクションコントロール」というと電子制御的な印象を持つかもしれないが、ここでいうトラクションとは”半クラッチのコントロール性の良さ”と”パワーをかけた加速時の確かな駆動力”がハイレベルで両立していることを指し、クラッチにとって非常に過酷なモトクロスレースでのインプレッションから名付けられた。NSR250Rは以前乾式クラッチ用が販売されていたが(現在は販売終了)、新たに全年式の湿式用が発売された。
カワサキ500SS/SS500用(’69-’74,H1-H1B)
レリーズ機構も含めて駆動系トラブルを抱えていることも少なくないカワサキトリプルシリーズ。高回転でパンチのある500SSも低回転から怒濤のトルクを発揮する750SSも、クラッチにとっては過酷なマシン。ミッション保護のために粘度が高めのオイルを使うと切れが悪く引きずりがちになるが、そんな悪癖も一掃できる。ラインナップは500SS/750SS/400SS/350SS/250SS(KH含む)の各トリプル用キットが揃っている。
スズキGT750用スペシャル+1タイプ
’70年代と現代ではあらゆるパーツの素材や加工技術が異なる。アドバンテージでは絶版車用のフリクションプレートとクラッチプレートの許容量を見直し、独自にキットを設定している。スズキ2ストロークシリーズの最高峰・GT750用キットはノーマルより1枚多い設定とした。これによってクラッチ容量がアップし、耐久性が大幅に向上。この「プラス1タイプ」はGT以外にも複数の機種で設定されており、高度にチューニングされたエンジンでも滑らないと好評だ。
ヤマハRZ250用
ミドルクラスの2ストローク車を元気よく走らせるには、ある程度回転を上げて半クラッチを使うのが必然。コントロール性に優れたフリクションプレートは、そんな使い方にも十分対応できる。
[右] アドバンテージのクラッチキットには「フリクションプレート・クラッチプレート・スプリング」の3点で構成されるTYPE-Aと、「フリクションプレート・スプリング」の2点で構成されるTYPE-Bがある。ヤマハ車用はTYPE-Bが多い。
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