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【大学発 日本 人と技術】日本を支える研究活動と技術開発 - SankeiBiz

 ■アルツハイマー型認知症 新たな治療薬開発に期待

 ≪東京理科大学≫

 東京理科大学薬学部薬学科の斎藤顕宜教授らの研究グループは、オキシトシンがアルツハイマー型認知症に深く関与するアミロイドベータ(Aβ)による海馬ニューロンの神経活性障害を改善することを明らかにした。ペプチドホルモンであるオキシトシンが、動物の認知機能や学習にも関わることに着目し、Aβにより誘発される認知機能障害とオキシトシンの関係性について電気生理学的な手法を用いて調べた結果、Aβによって誘発される、海馬ニューロンの神経活性による障害をオキシトシンが回復させることが判明した。本研究は、オキシトシンがアルツハイマー型認知症の治療薬候補ターゲットとなることを示唆した世界初の報告。新しい作用機序による認知症治療薬を創出することにつながることが期待されている。

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 ■ポリプロピレン繊維を色づけする染料開発

 ≪金沢工業大学≫

 金沢工業大学は、福井大学と有本化学工業と連携し、ポリプロピレン繊維染色用染料の開発に成功した。ポリプロピレン樹脂は非常に廉価で、この樹脂を使用したポリプロピレン繊維は軽量で速乾性があり、耐薬品性、耐擦過性、耐屈曲性、帯電防止性など優れた特性を持つ。1960年代の出現当時は「夢の繊維」と称され世界中で話題になったものの、染色が困難などの理由から衣料品としての用途は広がらなかった。今回の研究開発成果によって、超臨界流体染色でも十分な堅牢(けんろう)度を持ったポリプロピレン繊維用染料の開発に成功。染料は赤、黄、青の三原色がそろっており、この技術によってポリプロピレン繊維をさまざまな色に染色することが可能となった。衣料分野(アパレル業界、スポーツ衣料)など、これまで使用されてこなかった分野への展開が期待される。

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 ■ボルトの緩みを低コストで検知可能に

 ≪芝浦工業大学≫

 工学部機械機能工学科の細矢直基教授は、英エジンバラ大学などのグループとの共同研究で、ボルトの緩み(軸力)を低コストで定量評価できる手法を開発した。人には聞こえない超音波レベルの振動を計測し、ボルト先端部の周波数と軸力の相関を明らかにすることで、ボルトの緩みを検出するもの。ボルトが締結された対象物を叩いた時の、ボルト先端部の固有振動数の変化を軸力ごとに評価した結果、軸力の減少に伴って振動数が減少することが分かり、ボルト先端部の固有振動数と軸力との間には明確な相関が存在することが確認された。この技術は点検者の技量や熟練度に依存せずプロセスも簡便なため、測定を低コスト化することができる。ネジの緩みを検知するための機械検査などへ、導入が可能だ。

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 ■世界最薄級のアルミ製テーブルで最優秀賞

 ≪工学院大学≫

 工学院大学の鈴木敏彦教授(建築学部建築学科)は、最薄部分がわずか2ミリメートルのアルミ製テーブル「ソリッドハニカムテーブル」を開発し、製品開発プロジェクト「Wemake」で最優秀賞を受賞した。天板の縁が2ミリメートル、中央部が12ミリメートルと大変薄い仕様ながら、軽くて丈夫。天板の製造方法を工夫して実現した。新製法では、ソリッド材(一枚板状のアルミの固まり)から一体を削り出すため、接着の手間が省け、形状も自由だ。開発は、国の研究機関からの助成を元にスタート。JSTイノベーションジャパン大学見本市2017で発表するとともに工学院大学で意匠登録し、今年7月に開催された製品開発プロジェクト「Wemake」で最優秀賞を受賞したことから、同テーブルの製品化の道筋がついた。

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 ■学生が食堂の間仕切りをデザイン

 ≪広島工業大学≫

 新型コロナウイルスの感染対策として、食堂のテーブルに設置する間仕切りに学生のアイデアを取り入れようと、デザイン発表会を開いた。大学の呼び掛けで環境学部建築デザイン学科3、4年生の8グループが設計。各デザインは学科内の審査で2点に絞られ、発表会で学生が模型や試作品を披露した。1点は半透明の中空シートと透明樹脂板を使い、もう1点は窓を付けた合板と透明な樹脂板を組み合わせた。飛沫(ひまつ)防止で一人一人を仕切るため、無味乾燥にならず顔が見えるよう工夫していた。前期はオンラインで行い、10月2日からの後期は対面授業を全面的に再開する。間仕切りは学生のアイデアを参考にしつつ耐久性やコスト面で改良を加えて製作する。

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 ■学生・建築デザインコンペで佳作を受賞

 ≪大阪電気通信大学≫

 工学部建築学科3年生の松本康平さんが、関東地方を中心に住宅事業を展開するポラスグループが主催する「第7回POLUS-ポラス- 学生・建築デザインコンペティション」で佳作を受賞した。このコンペティションは、建築を学ぶ全学生を対象として、「地球につながる新しい風景の町」をテーマに、新鮮で独創的なアイデアが広く募集された。松本さんは「子どもたちが自然の中でのびのび成長する集合住宅」を提案。受賞者の多くが大学院生や共同制作の中、同学建築学科1期生である3年生単独での受賞となった。同学の建築学科は、2018年に新設されて以来、建築分野で注目されているBIM(Building Information Modeling)の教育に力を入れており、ICTをはじめ、最新の技術に強い建築のプロを育成している。

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 ■40億年間生命が絶滅しなかった確率推定

 ≪東京都市大学≫

 理工学部自然科学科の津村耕司准教授は、海洋生物の化石データから地球上の生命が絶滅しなかった確率を推定する方法を提案し、この成果がシュプリンガー・ネイチャーの発行する『サイエンティフィック・リポーツ』に、7月30日付で掲載された。

 地球の過去5億4000万年における海洋生物の化石データベースを用い、地球上の生物の大絶滅の規模と頻度を解析することで、地球上の生命の誕生から現在までの約40億年間に生命が絶滅せずに生き残れた確率は約15%であると推定した。現在までに4000を超える太陽系外惑星が発見され、次は地球外生命の初発見が期待されているが、今回の成果は、太陽系の外で生命を宿すような天体の数を推定する際にも応用が可能。

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 ■スマートモビリティ実証補助金の対象に

 ≪埼玉工業大学≫

 埼玉工業大学は、埼玉県の「令和2年度埼玉県スマートモビリティ実証補助金」対象に選ばれた。埼玉県が自動運転車両を利用したバスやタクシーなどの交通事業をはじめ、移動や物流に関する新たな事業の創出を支援するため、事業者がスマートモビリティの実証実験を行うにあたって必要となる費用を助成するもの。今年度は3件が採択され、同大学もその一つとなった。

 補助事業のテーマは、ドライバー不足解消に役立つ自動運転・安全運転支援機能の開発・商品化。同大学が県の同助成対象となるのはを2年連続。昨年はマイクロバスによる自動運転AIバスを開発し、県内をはじめ、全国各地で公道による自動運転の実証実験に参加した。今年度は、県内の共同事業者とともに、より大きな車両による自動運転バスの開発を進めることにしている。

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【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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September 29, 2020 at 03:00AM
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