
イノシシによる獣害が続く岡山県笠岡市で、地元の県立笠岡工業高校(同市横島)の生徒がイノシシ撃退作戦に乗り出している。昨年度、箱形のわなを作製して市に提供すると、今年度はセンサーを取り付けるなどしてグレードアップさせた改良版を開発。イノシシを捕獲するのは簡単ではないが、生徒らは「地域に貢献したい」と意欲的だ。
地域の困りごとを解消
「心から感謝申し上げます。箱わなで捕獲数を増やし、地域の皆さんが安心して農業ができるようにしたい」。7月29日、箱わな5基が贈られたことを受け、笠岡市の小林嘉文市長が生徒に感謝の言葉を述べた。
市の人口は今年5月現在で4万7575人。平成17年からの15年間で1万人以上減ったが、その分、耕作放棄地が増え、森林が拡大。26年ごろから人里へのイノシシの進出が顕著になった。今年3月には狩猟中の男性が林道で襲われ負傷し、ドクターヘリで運ばれる事故も起きている。
こうした中、同校では昨年度から、市の依頼で箱わなを作製している。
箱わなは鉄製のおりで、入り口が約1メートル四方、奥行き約2メートル。中にイノシシが好む米ぬかを置き、入り込んだイノシシが内部のワイヤに触れると、入り口上部に取り付けられた木製扉が落下して閉じる仕組み。格子は留め金の数を減らして溶接しており、頑丈なのが特徴だ。
同校電子機械科2年の廣岡力(りき)さん(16)は「格子の棒は5ミリ程度と細い。溶接でつなぎ目に穴を開けたりしないよう注意した」と話す。
センサー式も作製
同校は29年度から、学習の一環として「笠工テクノ工房」と題し、地域の人の困りごとをものづくりを通じて解決する活動を行っている。これまで幼稚園のトランポリンの修理や、測量用のドローンの作製をしてきた。箱わなもこの活動の中で作製。市としても材料は提供するものの、民間の業者に発注するより安く作れるメリットがある。
同校は昨年度も箱わなを18基作り、市に寄贈していた。ただ、1基の箱わなで1頭しか捕獲できず、捕獲できていても子供のイノシシだけだったことがあるなど、“獲れ高”が少ない課題があった。
こうしたことを受け今年度は、従来の箱わなに加え、新たにセンサー式のものも1基作製した。箱上部の手前、中央、奥の3カ所にセンサーを設置。すべてが同時に反応すれば中に複数のイノシシが、中央と奥のセンサーが同時に反応した場合には成体のイノシシ1体が奥まで入っている可能性が高いという。いずれかのパターンを検知すると、その10秒後に扉が落ちて閉まる仕組みだ。
作製に当たっては、地元猟友会からもアドバイスを受けた。センサーの設置箇所などを考案した電気情報科3年の柏原優也さん(17)さんは「作るにはイノシシの動きをとらえる必要があった。改良を進め、知識を深めて地域に貢献していきたい」と話す。
着実に捕獲増加
イノシシ対策をめぐって市は、地元の「井笠地区猟友会笠岡分会」に駆除業務を依頼しているが、駆除班20人のうちイノシシを駆除しているのは実働で6人にとどまり、通報を受けての駆除対応には限界がある。
そこで市は農家や家庭での自衛策を進めている。
農地には電気柵の設置を後押しする。設置費用の半額を助成していたものを昨年度に3分の2に増額。設置件数は前年度の106件から昨年度は253件に倍増した。
電気柵に行く手を阻まれたイノシシは、エサを求め、山中に設置された箱わなに入りやすくなる。その相乗効果もあって、昨年度は416頭のイノシシを捕獲できた。26年当時は70~80頭程度だったので、着実に数を伸ばしている。小林市長は「捕獲を増やし、人とイノシシのすみかを分ける努力をしていきたい」と話している。
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August 16, 2020 at 06:35AM
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