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Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)、Google(グーグル)そしてFacebook(フェイスブック)、Apple(アップル)そしてTwitter(ツイッター)などの米国テクノロジー大手のリーダーらは過去に経験したことのない2つの状況に直面している。新型コロナウイルスの感染拡大と、人種差別問題に対する意識の高まりだ。
急務として、感染症から消費者や従業員を守るための対策と、人種差別問題に対する明確な意思表示と対策の策定・実行が求められている。
これらに加え、顕著になってきた3つ目の状況がある。当局や議会などからの強い圧力だ。本稿は主にアマゾン、グーグルそしてフェイスブックのケースを見ていく。
米当局や連邦議会、EUがアマゾンを調査
米ニューヨーク・タイムズや米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2020年6月12日、米アマゾン・ドット・コムの事業慣行について米ワシントン州と米カリフォルニア州の司法長官が調査を始めたと報じた。
アマゾンが本社を置くワシントン州では、EC(電子商取引)サイトにおける出店業者商品の表示方法を調査中だという。アマゾンはこれら業者が商品を販売するマーケットプレイスの運営者であると同時に、自らも商品を仕入れて販売しており、出店業者の競合という立場でもある。ワシントン州の司法当局はアマゾンが自社プラットフォームで自社商品を有利に扱っていないかどうかを調べているという。
一方、カリフォルニア州当局は数カ月にわたり、アマゾンのプライベートブランド(PB)商品を調査していると関係者は話している。同社が出店業者の販売データを不正に入手し、自社商品の開発に利用していないかどうかを調べている。
アマゾンのPB商品については、米連邦議会の下院司法委員会が反トラスト法(独占禁止法に相当)違反の疑いで調査しているとも伝えられている。同委員会は、アマゾンが出店業者の販売データを収集し、PB商品の開発に役立てていると指摘している。
ただ、アマゾンはこれに反論している。同社ではすべての業者とアマゾンの販売データを合わせた「総合的な販売データ」を利用するにとどめていると主張。会社の規定では個々の業者のデータを製品展開や価格設定、調達、在庫管理などの意思決定に利用することを禁じているとも説明している。また、ロイターなどは6月15日、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が米議会の公聴会で証言する意向を示しており、下院司法委員会の要請に応じる構えだと報じた。
アマゾンの事業慣行については、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会も調査中だと伝えられている。WSJの2020年6月11日付の記事によると、欧州委は近く、EU競争法(独占禁止法)違反の疑いがあるとして、「異議告知書(Statement of Objections)」をアマゾンに送付する。
欧州委もマーケットプレイス運営者と小売業者としてのアマゾンの二重の役割を調査している。この異議告知書は競争法違反の疑いに関する欧州委の暫定的な見解を示したもので、受け取った企業には反論の機会が与えられる。欧州委はそれを考慮し最終判断するという。
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