空売り投資家、急上昇するアジアのバイオテクノロジー株に照準（Bloomberg） - Yahoo!ニュース

（ブルームバーグ）：アジアで空売り投資家がヘルスケア分野に引き寄せられている。域内で今年、最高のパフォーマンスを演じている同業種の株価が反転すると読んでいるためだ。

アジアの主要株価指数を構成するバイオテクノロジー・医薬品324銘柄では今年これまでの空売り残高が１日平均で昨年から２倍余りに達している。ブルームバーグの集計データが示した。浮動株に占める空売り残高の比率で上位10銘柄の半数近くはオーストラリアの企業で、事業を見直したり、世界で最も利益の上がる一部市場で当局の承認獲得を目指したりしている。

高い株価評価や手続き上の期限、承認へのハードルがボラティリティー拡大につながるため、この業種が「空売り投資家の温床」になっていると、サクソ・キャピタル・マーケッツの市場ストラテジスト、エレノア・クレイ氏（シドニー在勤）は指摘する。

３月の相場下落後に成長株の需要が高まる状況にあって、豪州の医薬品メーカー、クリヌヴェル・ファーマシューティカルズは浮動株に占める空売り比率が15％余りと、最も高い。ヘリックスミスやセルトリオンといった韓国企業も弱気派を引き付けている。この業界は新型コロナウイルスの感染拡大を背景に臨床試験や製品用途に関する観測が多く飛び交っている。

モーニングスター・インベストメント・サービスのアナリスト、ニコレット・クイン氏によると、これら豪州企業はヘルス分野の他の大半の銘柄に比べて先行き不透明感が強いため株価の下落を投資家は予想している。メイン・ファーマ・グループとブラックモアズは経営てこ入れ策を進めており、クリヌヴェルとポリノボは「株価に織り込まれた急成長のごく初期段階」にあるという。

原題：Short-Sellers Set Their Sights on Surging Asia Biotech Stocks（抜粋）

Jackie Edwards， Ishika Mookerjee

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