京都工芸繊維大学発のベンチャーである魁(さきがけ)半導体は2020年4月7日、PFC(パーフルオロカーボン)ガスの代わりに固形フッ素樹脂を使用しプラズマ処理を実現する新技術の実用化に成功した、と発表した。半導体のプラズマエッチングなどの処理において、温室効果ガスを使わず同等の効果を得ることができるといい、環境負荷/現場負担の軽減を実現するとしている。
京都工芸繊維大学発のベンチャーである魁(さきがけ)半導体は2020年4月7日、PFC(パーフルオロカーボン)ガスの代わりに固形フッ素樹脂を使用しプラズマ処理を実現する新技術の実用化に成功した、と発表した。半導体のプラズマエッチングなどの処理において、温室効果ガスを使わず同等の効果を得ることができるといい、環境負荷/現場負担の軽減を実現するとしている。
固体をガス化させる新しい発想
プラズマ処理は、使用するガスの種類によって効果が異なるため、処理対象物の素材に適したガスを使用する。例えば半導体製造においては、シリコンのドライエッチングや薄膜形成、クリーニングの工程で、PFCガスを使用したプラズマ処理を行っている。しかし、フロンガスの一種であるPFCは強力な温室効果ガスであり、取り扱いや保管のための設備設置など、現場には煩雑な作業が必要となっている。
同社が開発した新技術では、PFCガスの代わりに固体フッ素樹脂を使用する。この樹脂にアルゴンや窒素などの比較的扱い扱いプラズマを照射。すると樹脂が分解されてフッ素を含んだガスが発生するが、このガスがPFCガスと同様の働きをするのだという。
同社は、この技術でPFCガスが不要となることで環境負荷低減が実現するほか、固体の樹脂や比較的扱いやすいガスで代替することで、持ち運びや管理などの現場負担も軽減できるとしている。同社は今後、この技術を応用したプラズマ製品の開発に取り組むと同時に、この技術を活用した共同研究/共同開発を幅広い分野で募っていく方針だ。
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