[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米国で新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻なニューヨーク州で感染拡大ペースが鈍化しつつある兆しが出てきた。一方、ルイジアナ州ニューオーリンズなど他の地域では事態の深刻さが増している。
ニューヨーク州のクオモ知事は25日、同州で導入した新型コロナウイルス感染防止に向けた措置が奏功しているもようで、過去数日に入院率の低下が確認されたと述べた。ただその上で、まだやるべきことが多くあると気を引き締めた。
さらに、ニューヨーク市当局と合意した追加措置の導入も発表。車両通行止めを試験的に実施し、「社会的距離」を確保できるよう歩行者に公道を開放する。また、公園でのバスケットボールなどのコンタクトスポーツを制限する。当面は自粛を求めるが、違反者が続けば禁止措置を取るという。
クオモ知事によると、ニューヨーク州の感染者数は過去24時間で5000人超増え、少なくとも3万0800人となった。ニューヨーク市だけで1万7800人を超えている。同州での新型コロナ感染症による死者は計285人。
ただ、入院率が倍になるペースは22日時点の2日おきから23日時点で3.4日おき、24日時点では4.7日おきと減速し、事業の閉鎖や集会制限などの措置が奏功していることを示しているという。
知事は「これは非常に良い兆候だ。100%正確かは分からないがグラフの曲線は正しい方向に向かっている」と述べた。
25日現在、少なくとも21州で感染拡大抑制に向けた何らかの制限措置が取られている。
また連邦緊急事態管理庁(FEMA)によると、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、ハワイ州は同庁に対し、最悪の事態に備えて大規模災害時などに展開される特殊遺体処理チームの派遣を求めた。
一方、ルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズでは25日正午までの24時間に新たな感染者が30%急増。米国内の新たな震源地になりつつある。
ルイジアナ州での感染拡大により、人口密度が高くない地方都市や気候が温暖な地域では事態の悪化を免れるとの期待は打ち砕かれた。同州内では、4月4日までに医療体制が限界に達すると警告する自治体も出ている。
トランプ大統領は24日、ルイジアナ州とアイオワ州について災害宣言を発出。25日にはテキサス州とフロリダ州についても宣言を行った。これにより、州に対して連邦政府による支援が可能になる。
先に感染が深刻化したニューヨーク州、カリフォルニア州、ワシントン州はすでにこの宣言を受けている。
米国全体では約6万人が感染、死者は少なくとも812人に上っている。
*内容を追加しました。
2020-03-26 07:37:51Z
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