大手広告会社・電通(東京)の新入社員だった高橋まつりさんが、2015年12月に24歳で過労自殺してから25日で4年となった。母親の幸美さん(56)が手記を公表し、今年9月に再び違法残業などで是正勧告された電通への憤りと、いつまでも癒えることのない悲しみをつづった。
「再び過労死ライン(月80時間)の2倍というひどい時間外労働で是正勧告を受けていた。娘の命と尊厳がまたも踏みにじられた思いです」。幸美さんは今年の手記で、こう指摘した。
電通は昨年、社員4人に対して最長約157時間に上る残業をさせたなどとして、今年9月に労働基準監督署から是正勧告を受けた。まつりさんの自殺後、違法残業事件で17年に有罪判決が確定した後も、勤務状況の改善が進んでいない状況が明らかになった。
幸美さんは「不眠不休の社風は根深い。労働環境の改革に取り組むことを希望します」と訴える。
心に残る傷の深さも吐露している。「つらいクリスマスがまためぐってきました」とし、「まつりが生きていたら28歳。友人が結婚したり、出産したりしたと聞くたび、まつりは本当にいないんだと改めて思い知らされます」と記した。
国の過労死等防止対策推進協議会の委員も務める幸美さんは「すべての職場で長時間労働やハラスメントを禁止し、過労自殺を出した企業や経営者に対して厳しい罰則を科すべきだ」と求め、「誰もが安心して働ける社会を作り、幸せな人生をおくれる国になるように、力を尽くしてまいります」と結んだ。
2019-12-24 15:02:00Z
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